佐保塾共催事業  

 

     ~ 第14回佐保塾史跡巡り 近江八景めぐり ~

 

平成25年10月9日(水)、一般社団法人佐保会との共催で「第14回佐保塾史跡巡り 近江八景めぐり」を“る(見る)る(知る)む(楽しむ)”として開催しました。

奈良をはじめ京都、大阪、兵庫の各支部会員と一般市民を含む53人が参加されました。

近江八景が定着したのは江戸時代で、交通の便がよい現在でも一日では巡り切れない八景を“る(見る)る(知る)む(楽しむ)”してみようと欲張ってみました。

まずは、JR大津駅をバスで出発し、粟津の晴嵐”といわれた旧東海道を走り、八景の最南端にある石山寺へ向かいました。石山寺では2人のボランティアガイドさんの案内で、紫式部も眺めたであろう名月を思い浮かべながら、紅葉には少し早い硅灰石の境内を歩きました。(“石山の名月”)

さらにバスで瀬田川の中の島にある料亭「あみ定」で“瀬田川の四季彩弁当”をいただきました。(“勢多の夕照”)

昼食後は、琵琶湖岸を近江大橋の対岸の矢橋を望みながら、大津市と草津市矢橋に設置されている常夜燈と石垣に“矢橋の帰帆”を思い浮かべました。

 

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バスはひたすら湖岸を北上し、大津市立歴史博物館へ到着しました。ここで、学芸員の方から近江八景の説明を受けたあと展示品の見学をしました。

博物館の南隣にある三井寺までは歩き、光浄院の客殿で、国宝の狩野山楽の障壁画を前にして、執事長 福家俊彦氏の講話を拝聴しました。また、平等院・神護寺にならぶ日本の名鐘といわれている三井寺の鐘の音に耳を傾けました。(“三井の晩鐘”)

その後、唐崎を経て(“唐崎の夜雨”)、堅田の満月寺浮御堂に着きました。ここから、対岸の近江富士(三上山)を遠望し、落雁の情景(“堅田の落雁”)を思い描きました。

また、琵琶湖の西岸にそって連なる比良連峰が、数か月後から春遅くまで雪に覆われる景色に思いを馳せて(“比良の暮雪”)、JR湖西線の堅田駅で“るるむ”を終えました。

この日は、前日からの台風24号が温帯低気圧に変わっていたものの、天気の変化の激しい一日でした。それでもバスを降り散策する時間には秋晴れの空になり、風雨の不安も忘れ、事故もなく午後4時頃に散会しました。

これをきっかけにゆっくりと近江八景を巡ってみたいという方もおられました。