15回おうみ佐保塾(公開講座)

 

 

       『松尾芭蕉の世界を旅する』

 

         ~おくのほそ道・近江の芭蕉~ 

 

 927日(火)午後1時半より草津市まちづくりセンターにおいて第15回おうみ佐保塾を開催しました。一般の方も含めて45名の方々が参加されました。講師は第14回につづき、いかいゆり子氏。前回同様、いかい氏が各地で開かれている講座の受講生の方たちも参加されて、講義後の質疑応答も活発に行われました。

 

 三重県伊賀市に生まれた芭蕉は、江戸へ出て俳諧師となります。それなりに名声も得、また独自の句風(蕉風)を確立しつつありましたが、俳諧師であることに疑問を抱き、おくのほそ道の旅に出ます。みちのくの歌枕を巡り俳人として一皮むけて帰ってきた芭蕉ですが、それ以前も含めて、およそ 8年の間に 8回も近江を訪れ、最も長い時は半年余りも滞在し、生涯で詠んだ句の 1割超える 102句にも及ぶ句を近江で詠んでいます。加えて、遺言で義仲寺を永眠の地に指定しました。

 

なぜ、芭蕉はそれほどまでに近江を愛したのか。その疑問が「近江の芭蕉」誕生のきっかけとなったと、いかい氏は言われます。

 

 講義では、おくのほそ道から、中尊寺、毛越寺、立石寺、 3か所、 3句の句碑、そして、近江にある61の句碑の中から印象に残った10か所について、写真、地図を示されて、その場所の印象も交えながら詳しく話して頂きました。

 

 そのお話を伺うに、近江の美しい風景、門人をはじめ土地の人々との暖かい心の交流、この地で無念の死を遂げた木曽義仲への思いなどが、芭蕉を近江に惹きつけたのではないかと思われました。

 

これから陽気も良くなります。「近江の芭蕉」を手に、近場から句碑巡りをしてみたいものです。(以上 M氏記)

 

 

第16回おうみ佐保塾は、10月21日(金)現地探訪(堅田方面)の予定です。

 

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