第8回おうみ佐保塾 現地探訪会

 

  平成25年7月2日()、第8回おうみ佐保塾 現地探訪―「塚本さと」が過ごした近江商人屋敷記念館 八年庵 探訪―を開催しました。

 

   梅雨の晴れ間のさわやかな日、兵庫・大阪・奈良・京都・滋賀支部会員と一般市民を含む44名の方々が参加されました。

 今回は、柴山直子氏(一級建築士)による第7回おうみ佐保塾公開講座「五個荘金堂の町並み保存と近江商人本宅」に関連する現地踏査を企画したものです。

  観光案内所「ぷらざ三方よし」に集合した後、まず川並地区へ向かいました。ここにある近江商人屋敷「八年庵」は、敷地約620坪、建物約288坪におよぶ大きな屋敷でした。ここは、塚本家を守り、晩年に女学校を創立した塚本さとの二男で二代目の塚本源三郎が明治13年に、古い農家住宅を購入して移築し、そこにあった土蔵を合わせたものです。すでに築200年以上になる近江商人の本宅で、そのたたずまいは、塚本家の理念である「質素倹約と勤勉」をモットーとしたものでした。源三郎は文化人としても知られており、書家の雅号を八年(やとせ)としたことから屋敷の名を「八年庵(はちねんあん)」と名付けています。庵には、初代源三郎・さと夫妻ゆかりの品や幕末から明治期にかけて活躍した多くの名士が八年庵を訪れた際に残した品々も保管されていました。柴山直子氏のご説明に加えて、ここを管理運営されている三輪國男さんに記念館と近江商人本宅内を案内していただきました。

  その後、金堂地区の寺前鯉通りを通り、金堂まちなみ保存交流館へ向かいました。この交流館は、この地区を代表する近江商人の外村宋兵衛が住み、さらに、中江富十郎家の所有となったもので、戦前のソウルに三中井百貨店を完成させるなど、最盛期には「百貨店王」と呼ばれるほどの大資本家となった商人本宅でした。ここも田の字を基本とする農家住宅でした。近年はしばらく空き家となっていましたが、現在はみごとに修理復元され、「金堂まちなみ保存交流館」として活用されています。ここで、昼食に「さと御膳」ゆかりの湖国にちなんだ松花堂弁当をいただきました。

交流館では、「NPO法人金堂まちなみ保存会」が中心となり、観光案内や伝統的建造物の修理相談業務などを行っています。リーダーの柴山直子氏から修復過程での建物の構造についての説明をしていただき、金堂地区のDVDを観た後は散会しました。ご希望の方々には柴山直子氏のご案内で、周辺にある「外村宇兵衛邸」や「外村繁邸」・「中江準五郎邸」・「藤井彦四郎邸」・「近江商人博物館」などをそれぞれが見学しました。

現地探訪のようす↓